NORIES CUP 2013

恒例となったノリーズ協賛、たまやボート主催の「ノリーズカップ」が2013年5月12日(日)に81名の参加者を集めて開催されました。
メインゲストの田辺哲男プロに加え、今年は西村嘉高プロ、鶴岡克芳プロも参戦。
今回もラージマウスバス1匹のウエイト勝負という、関東有数のビッグフィッシュレイク牛久沼ならではのレギュレーション。

各選手とも価値ある1匹を手にするための戦略を胸に、熱いゲームが繰り広げられました

Report

前日にまとまった雨が降り、夜明け前からウシガエルの鳴き声が響き渡った牛久沼。フィールドコンディション的にはスポーニングの後半期にあたり、いち早くアフターから回復したビッグフィッシュもいれば、まだ産卵を終えていない半プリもいる状態。
湖岸のほぼ全周を覆うガマやアシにくわえ、所々にあるハス畑などベジテーションの豊富さは日本屈指。それらが形成するヘビーカバーをいかに攻略するがキーになることは間違いありません。

朝のミーティング前までは薄曇りのローライトコンディションでしたが、大会スタート時刻の6時30分頃には快晴無風に。各選手とも思い思いのエリアへと向かっていきます。さすがにハードベイトでの展開は難しいと判断しスローダウンを余儀なくされていたアングラーが多かったようですが、そんな中でもボルケーノグリッパーや、ヒラクランクなどでアフター回復系のビッグフィッシュを狙っていたアングラーもいらっしゃいました。

ウエイインが始まったのは12時。昨年は上位3人が50アップというリザルトが残っていたため、優勝するためには50cm2kgというのが大方の予想。選手の方々もそれを知ってか、40後半のグッドサイズを持ち込んだ方も微妙な表情で他選手のウエイインを見守ります。

最終的にウェイインされたのは81人中7人に留まりましたが、そんな中、会場を沸かせたのは54.5cm、2,230gをウェイインした石川選手。これぞ牛久沼のポテンシャルというに相応しい見事なビッグフィッシュでしょう。

その後、表彰式の後には田辺プロや西村プロのセミナー、そしてジャンケン大会なども行われ、大盛況のうちにイベントは終了しました。

TANABE´s Game

この日は田辺プロも出船。まず手にしたのはロードランナー ヴォイス680MH+20lb.。たまやボート周辺のハス畑をボルケーノグリッパーでチェックを始めます。岸寄りのインサイドは若干水が悪いのですが、水通しのいい沖側ではベイトフィッシュが跳ねる姿も確認できます。田辺プロの狙いはアフター回復系のメス。対岸へと渡り、パラガマが岬状に伸びた場所など、いかにもアフターが浮きそうなエリアを中心にまわっていきます。
途中、さらに回復の進んだバスが好むアシ原の中にあるプールをフロッグ(プロトタイプ)でチェックしますが、まだそこまで季節は進行していない様子。アシがえぐれて壁状になった場所はヒラクランクH-130(ABS版プロトタイプ)などで時間を掛けて誘います。いずれもロッドはロードランナー ヴォイス630H+PE4号リーダー20lb.。
「今日ウエイインしてくる参加者のほとんどはソフトベイト系で撃つ釣りをしてくると思うんだけど、浮かせて喰わせれば確実にデカイのは分かりきってるから、多少強引かもしれないけど今日はこの釣りで押し通すよ」
残念ながらこの日はバスを手にすることはできませんでしたが、牛久沼の価値ある1匹を手にするため、あえてパワーダウンせず「強いルアーで浮かせる釣り」を続ける大切さを改めて感じさせる姿勢。湖上ですれ違った参加者の方も、田辺プロのアプローチは参考になったことと思います。

VOLCANO GRIPPER 2013NEW

TOP 5 Angler's Pattern

Winner 2,230g 石川暁 選手

「目を着けていた東谷田川の流れ込みに向かい、手前から順に撃っていきました。ちょっと水も悪かったのですが、同船者に「行ける所まで行こう」と言われて一番奥まで。何度も撃ったのでダメかな?と思った頃、奥にキャストしたはずなのにラインが自分の目の前に来ており急いでアワセるとロードランナー ヴォイス6100Hが満月に。ルアーはガンタージグフリップ3/8oz.(124:アメリカザリガニ)にエスケープツイン(123:アメザリ♂)。今日はこれを投げようと心に決め、家からリグってきた1本でのビッグフィッシュに喜びもひとしおです。」
ガンタージグフリップの強靱なフックが伸びるほどの激ファイト。この先、一生記憶に残るような価値ある1匹となったことでしょう。
  ガンタージグフリップ3/8oz.
124:アメリカザリガニ
エスケープツイン 
123:アメザリ♂

2nd Place Prize 1,700g 西山佳宏 選手

「東谷田川キヤノン前のアシとガマの間で1,300gぐらいをノーシンカーでキャッチ。11時過ぎ頃に塚本上流のブッシュでボイルが起こり、トップを投げるとヒットしたがバラシ。その後、風が吹き始めたタイミングでガマのエッジから2~3mほど奥にノーシンカーを入れていくとバイトしたのがウェイインした魚でした。」

3rd Place Prize 1,400g 並木勇人 選手

「西谷田川の細見橋下でザグバグ3フックに800g位のバスがヒットし1匹目をキャッチ。そこから流していくとギルバイトが何度かあったので今日はこのエリアと決めました。アシの手前のほうにエスケープツインの3.5gテキサスリグを落としてステイさせているとラインがわずかに動いたようなのでアワセてみるとると、その魚が1,400gでした。」

ザグバグ3フック
エスケープツイン 

 

4th Place Prize 830g 大塚敏広 選手

「朝の内はエビガエルでビッグフィッシュを狙っていたのですが、残念ながら不発。そこからスローダウンして東谷田川のガマとアシの隙間にストレートワームのネコリグを落とす釣りへとシフトしてキャッチしました。」
今日のコンディションにうまくアジャストしていく大切さを感じさせてくれた1匹でしょう。

5th Place Prize 820g 大倉義雄 選手

「早い時間帯、東谷田川中流の杭にスピナーベイトを投げたところチェイスがあったので、フォローでライトテキサスを入れたところ約1,800gのバスをキャッチ。ところが帰着の少し前にライブウェルを確認した際、飛びだして逃げられてしまい、その後、見えた魚がいたのでストレートワームのノーシンカーで喰わせた魚をウエイインしました」。

Behind Story of VOLCANO GRIPPER

発売直後にも関わらず、すでに各フィールドから釣果報告が相次いでいる「ボルケーノグリッパー」。
早春から今ぐらいの時期まで効くのは、水面直下をモワモワと引く使い方でしょう。
「コツは水面にペラが出ないぐらい、スピナーベイトを引くのと同じぐらいの感じで引く。ボルケーノグリッパーのほうがゆっくり引けるんで、まだあまり速いスピードだと追えないバスでも追い付いてパクッと喰えちゃう」

これからの時期はふつうに水面で誘う使い方がメイン。
「先日も高滝で6匹釣ったんだけど、これはアフター回復のメス。来れば40アップだよ」

大会中は晴天無風だったためバイトまでは至りませんでしたが、曇りや雨、朝夕のローライトなど状況が変われば、今の時期に引くハードベイトの中で最も簡単にバスを呼べるルアーだと田辺プロは解説していました。

「ボルケーノグリッパーはブレードがデカイので非常に力のあるバズベイト。さらに今期2ケタ釣ってますけど一発もミスってない!フッキング率100%」

これはルアー自体のバランス、具体的にはブレードとフックポジション、そしてアームの角度の位置関係が大きく関与しているとのこと。

「これはかならず2個買ってください(笑)。その理由は…最初のセッティングがものすごくいいんだけど、釣ったあとに曲がっちゃうことってあるよね。2個持っていれば重ねておなじ角度に戻せるから、このワイヤーの角度とペラのポジションを最初の状態に復元してあげる」

デッドスローリトリーブが得意なボルケーノグリッパーですが、ファストリトリーブでも常にヘッドが水に入っているというのも特長の1つ。ただしアームの角度が変わってバランスが崩れると、傾いたりしてフッキング率も下がってしまうので、貴重なバイトをミスしないためにも大切なことでしょう。

そしてイベント終了後、もう一度出船したアングラーがボルケーノグリッパーでビッグフィッシュをキャッチして戻ってこられました。セミナーの内容を復習するように「水面直下をゆっくりと引いてくると、水面がモワッと盛りあがりました!」とのこと。満面の笑みで桟橋から田辺プロのもとへと駆け寄ってくる様子からも、この方にとって忘れられない価値ある1匹であったことは間違いありません。